古本出張買取下草書店

思い出を捨てずに古本を処分するためのヒント【神戸版】

2024/08/31

「お気に入りの一冊を捨てずに置いておきたい」と思う気持ち、素敵です。
お手持ちの本全部を思い出にすることはできずとも、「この一冊を!」と言う時に使える、古本を素敵に仕上げる方法です。

デジタルアーカイブの作り方

デジタルアーカイブという言葉を聞いたことがあるでしょうか。簡単に言うと、古文書や公文書、出版物、その他あらゆる知的資産をデジタル化し、インターネット上で電子情報として共有できる仕組みのことです。
例えば、国立国会図書館では、2002年に「近代デジタルライブラリー」と称し、電子図書館を開始しています。これにより、日本全国どこに住んでいても、資料の検索が可能となります。わざわざ、資料を求めて東京の千代田区まで出向く必要は、もうありません。これは、偉業!多くの研究者や学生、企業人が喜ぶ大きな改革となったのです。
他にも、NHKアーカイブスという施設の開館、各地の図書館や博物館、美術館におけるデジタルコンテンツの開発促進など、デジタルアーカイブの波は、学術から民間へとどんどん広がっているのです。

さて、ここまで読むと、なんだかデジタルアーカイブって物々しくて、個人には関係のないことのように感じられるかもしれません。でも、実は、個人にも普及しつつあるのです!
それは、「手持ちの本をデジタル化して所有する」という動き。

デジタル化には、以下のようなメリットがあります。

・いつでも、どこでも読める。
・本を置くスペースが不要。
・文字や絵を拡大して見ることができる。
・書き込んだり、消したり、自由に使える。

例えば、大学生が研究で使う場合、大量の本を所有したり、持ち歩いたりすることが不要となります。メモを書き込むことも可能。スムーズに研究を進めることができるでしょう。
また、加齢により目が衰えてしまうと、読むことが億劫に感じてしまい、遠ざかってしまいますが、文字サイズを大きくすることができれば、また本を読む楽しさを感じられるのではないでしょうか。
「“本”という現物を所有したい!」という声がある一方で、本のデジタル化はとても使えるツールであることは確かです。上手に使い分け、デジタル化を活用していくことが、日々の生活を潤していくのだと思います。

では、デジタルアーカイブの作り方を見ていきましょう!
 (ちなみに、著作者の権利保護の観点より、デジタルアーカイブの作成を外部に依頼することは
 できません。気を付けましょう!社史など市販本でない場合には、外部依頼が可能です)
ご自身で作成し、私的利用する分には違反ではないので、安心してくださいね。

<デジタルアーカイブ作りに必要な物>
・デジタル化したい本
・本を切る物一式(カッターやカッターボード、断裁機など)
・スキャナー
・取り込む端末(タブレットやスマホなど)

<手順>
①本を断裁します。簡単に断裁する方法としては、以下の通り。
 まず、表紙を取り除きます。
 そして、ググッと本を見開き、50枚ほどの束を作る感じでカットしていきましょう。
②①でできた紙束を、一枚ずつに切り分けていきます。
 カッターでも良いですが、断裁機があるとよりベター。
 カットが終わった紙束は、順番が入れ替わらないようにまとめておきます。
③スキャナーを使い、②をPDF化していきましょう。
 スキャナーにはいろいろな種類があります。束のママでセットし、サクサクと自動で
 送ってくれる自動給紙タイプだと、手間がかからずとても便利ですよ!
参考)RICOH ScanSnap iX1600 等
④端末に、③のPDFを管理・活用するためのアプリを落とします。
 無料、有料、買い切りと、最近はいろいろなタイプがあり、書き込みの可否や管理の
 仕方など、機能面で選んでいくといいでしょう。
参考)Perfect Viewer、SideBooks、GoodReader PDF Editor & Viewer、Goodnotes 等

プラス、以下の情報もぜひ確認しておいてくださいね。

・本を断裁してくれる業者があります!
 上記作業で手間のかかる断裁の工程を、外部に依頼することができます。
 デジタル化したい本が大量にある場合、断裁にかかる時間や手間はかなりのもの。
 それに、断裁機をお持ちでない場合、その購入費用もそこそこかかるので、外部に頼んで
 しまうというのも良い方法かと思います。
・本を断裁したくない方用のスキャナーもあります!
 上記では、本を断裁してスキャニングする方法について書いてきました。でも、貴重な書物で、
 断裁はせずにデジタル化したい本もありますよね。そのような場合には、本を広げ、上部から
 読み取るスタイルで読み取りができるスキャナーを使いましょう。
 本を開いた時、中央部に盛り上がりができてしまいますが、それを自動で補正したり、ページ
 めくりを自動で検知するなど、便利な機能がついたタイプもあります。かなり、手間が軽減で
 きるのでオススメですよ。
参考)RICOH ScanSnap SV600 等

思い出のある本の保存方法

本を長期保管すると、劣化が起こります。ページの黄ばみや、シミ。紙がボロボロにもろくなってしまうことも。「手元に置いておきたい」「ずっと大事にしたい」、そんな本は、どのように保管するのが正解なのでしょうか。

そもそも、なぜ本は劣化してしまうのでしょうか。

まずは光。太陽光や蛍光灯に含まれる紫外線は紙を劣化させ、印刷を退色させてしまいます。また太陽光や白熱灯に含まれる赤外線も大敵で、熱を生み出すため、紙が乾燥し、これも劣化に繋がるのです。
次に、温度や湿度。紙に適しているのは、温度20度前後・湿度60%前後。温度や湿度が高くなると、カビの発生や酸化が起こり、良い状態とは言えません。
そして、虫。紙魚(シミ)やゴキブリ、シロアリなど、紙を好んで食べる虫は、結構います。虫食いだらけになった本は、本としての価値を大きく失ってしまうので要注意です。

さて、ということは、本を良い状態で長期保存するためには、光や温湿度、虫から、本を守る必要があるということ。これらを避けるために、大切な本は、以下に気を付けて保管するようにしていきましょう。

・本棚は日陰に設置する。
・本にUVカットのできるカバーをつける。
・温湿度を管理する。乾燥剤を使用したり、本を干したりする。
・衣類用の防虫剤を近くに置いておく。

大切な本をきれいな状態で保管するためには、注意が必要です。久々に手に取ってガッカリ……なんてことの無いように、十分に気を付けてくださいね。

また、きれいに保管したい本が大量にある場合には、「本専門のトランクルーム」があり、それを利用するのもひとつの手段です。温湿度管理が行われており、日光も当たらない環境で、本を適切に保管することが可能です。
参考)東京書庫、minikura、risoko等

お気に入りの一冊をリメイク

お気に入りの本をリメイクし、今までとは一風変わった装丁にするというのも、とても面白い試みです。
装丁とは、書物を綴じ、表紙を付けて外形を整えること。つまり、表紙がボロボロになってしまった本を復活させることのできる方法です。もちろん、ボロボロではなくとも、普通の表紙を取り去って新しい表紙に付け替え、自分だけの本を完成させることも素敵ですし、大切な方への贈り物として活用してもいいでしょう。

本をリメイクすることは、頑張ればご自身でも可能ではあるのですが、リメイクに要する用品を揃えていくのは大変ですし、慣れるまでは失敗してしまう可能性もあるため、今回は依頼して作ってもらう方法をご案内したいと思います。
依頼先によって多少の違いはあるかもしれませんが、おおよそ以下の通り。
まず依頼先に、本と、装丁のイメージ、そして本の内容を伝えます。そうすることで、作成者がイメージを膨らませ、本に合わせた新しい装丁をご提案。OKであれば、作成に入り、仕上げてくれるというサービスとなります。
リメイクをすることで、長く手元に置いておくための手段にもなるかもしれません。様々な想いの手助けとなる方法だと言えます。
参考)BREWBOOKS、ヨンネ 等

写真アルバムとして再利用

写真を貼り付ける台紙として古本を利用するというのも、素敵です。
その昔、プリクラ帳というものがありました。撮ったプリクラ、友だちと交換したプリクラをノートに貼り、色ペンでデコって思い出のページに仕上げていくという中高生の間で広く流行ったものです。
これには特に専用のノートがあるわけではなく、お好みのノートを用意して、感性の赴くままに作成。プリクラを撮ることと同じくらい、プリクラ帳の作成も熱心に楽しんでいたのです。
このように、「何かを貼る」ための台紙として古本を使うのも、面白いと思うのです!

外国語の本だと雰囲気が出ますし、日本語であっても、とても難しそうなタイトルの本なのに、開いてみると中身はPOPなんて素敵ですよね。
写真だけでなく、チケットやイラスト等、お好みで貼り付けるスクラップブックとして古本は多いに使えます。特にハードカバーの本は丈夫で美しく、素敵な収集になるでしょう。
ちょっと色褪せてしまった古本も、スクラップブックであればそれが良い味に。
このように、本という形状からアイデアを膨らませ、他の何かに仕立ててみるという試みに、ぜひチャレンジしてみて欲しいと思います。

子どもや友人へのプレゼントにする

お子さまやご友人へのプレゼントとして、貴方の「お気に入りの一冊を贈る」のって、すごく素敵だと思います。
それは、新しい本でなくてもいいのです。読み込んだお気に入りの古本に、素敵なブックカバーやしおりを添えて、オススメ理由と共にお渡しする。これって、とっても心のこもったプレゼント!
「〇〇なところが、今のあなたに合うと思うの」など、言葉が添えられた本は、きっと大切な宝物になることでしょう。
ブックカバーではなく、上記でオススメしたリメイクを施した本も良いですよね。
「ご自身の大好きな本を大切な方に繋げる」というプレゼントは、とても暖かいものですよ。

まとめ

今回は、「今ある本をどう活かしていくか」についてお話をいたしました。
処分してしまう、廃棄してしまうという選択ではなく、どうすれば手元に置いておけるのかという方法です。デジタルアーカイブやリメイク、再利用など、手元にある本を残すためにはどうしたらいいのか、ぜひ一度考えてみて頂けると嬉しいです。

ただ、考えてもどうにもならない場合があるかと思います。溜まりに溜まった本の収納場所を確保するのは大変なもの。どうしても数を減らす必要がある……となった際には、弊社「下草書店」をどうぞご利用ください!
下草書店では、ジャンルに制限を設けず、ほぼすべての古本・古書の買取を行っています。
マンガも、ビジネスや研究書も、何でもOK。多少の書き込みでも引取可能な場合が多いので、まずはご相談頂ければと思います。神戸をはじめとし、兵庫県全域、出張による買取を行います。ご依頼者様はお電話(もしくはメール、LINE)をして頂くだけ。プロによる査定と買取金額のお渡し、そして古本のお引き取りまでをその場で行い、その日のうちにスッキリ片付きます!
古本や古書の処分や片付け、整理をお考えの方は、下草書店にお問い合わせくださいね。

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