豊岡市にお住まいのO様より、「父の遺品を整理したい」とのご依頼をいただきました。内容がちょっと偏っているのですが…とのこと。ある晴れた日、O様宅までお引取りに伺いました。
■お客様のお悩み
O様宅を訪れると、防音がほどこされたお部屋に通されました。そこには二つの本棚が並んでいます。本棚には、名曲解説全集をはじめ、沖縄やペルシャの音楽、モーツァルトやボリショイに関する本、さらにはイスラムや古代エジプト、ロンドンの劇場に関する本までズラリ。多彩な蔵書が整然と並んでいました。
しかし、ご家族に同様のご趣味を持つ方がおられないそうで、「せっかくの蔵書がそのままではかわいそうに思えて…。父が愛してきた本をただ処分するのではなく、誰かに引き継いでほしい」と話されるO様。
部屋には今も、お父様がそこに腰掛け、本と音楽を行き来しながら過ごされているかのような雰囲気が漂います。遺品整理とは「空間に残る大切な記憶を片付ける」ということ。身が引き締まる思いがしました。
■スタッフの提案
私たちは、一冊一冊の装丁や内容を丁寧に確認しつつ、O様へ「音楽や海外文化に関する希少本は、次の読者に喜ばれる可能性が高い」ことをご説明いたしました。
防音室という特別な環境で読み込まれてきた本たちからは、使用感がありながらも大切に扱われていたことが伝わります。本を単なる「物」として扱うのではなく、「物語をつなぐ存在」となるよう誠実に対応することをお約束いたしました。
<古本豆知識>
“名曲解説全集”は、音楽愛好家にとってバイブル的存在ともいえる書籍シリーズ。
交響曲や協奏曲、室内楽、声楽曲などクラシック音楽の代表的な作品について、詳細な背景や楽曲構成、演奏のポイントを解説しており、出版当時はレコードやCDの解説書以上に深い情報を得られる貴重な資料として、多くのご家庭や音楽サークルなどに置かれる本でした。
楽譜を読めなくても、「物語をたどるように”音楽を読む”体験ができる」のが魅力で、今も音楽研究者や演奏家にとって参考資料となり続けています。
■対応内容
全巻そろった名曲解説全集や、沖縄やスペインの音楽に関する研究書、さらにイスラムやルネサンスなど海外文化を扱った学術書などを中心に高額の査定となり、合計12,000円でお引き取りをさせていただきました。
希少な本、装丁の美しい本も数多くあり、時間をかけ、じっくりとページを開きながら行う査定の時間は、とても有意義なものとなりました。
本棚が空いていくごとに、O様が「父が大事にしていた空間を整えることができますね」と、どんどん安堵の表情に変わられていきます。
搬出作業をすべて終えた時、シンと静まり返った防音室の空気が、とても穏やかに感じました。
■お客様のお声
「父が大切にしてきた音楽と本の世界を、きちんと理解してくださってありがとうございました。ただ値段をつけるのではなく、丁寧に見ていただき、父の人生を尊重してもらえた気がしました。今は寂しさよりも、“次の誰かに読んでもらえる”という安心感の方が大きいです」と、喜んでいただけました。
■スタッフのひとこと
お父様の思い出がギュッと詰め込まれた防音室。そこで育まれた音楽と本には、お父様の情熱がそのまま宿っているように感じました。
本は、一旦所有者の手を離れても、その価値を失うことはなく、新たな場所でずっと生き続けます。今回のご依頼を通じて、「本を次の方へとつなぐ“架け橋”の役割」を改めて強く実感いたしました。
その本、本当は価値があるかも?
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本棚に並んだ背表紙をスマホで撮って送るだけ。
タイトルの入力も、本を1冊ずつ出す必要もありません。
査定額に納得できなければ、もちろんキャンセルOK。
気になる本があれば、まずはお気軽にお試しください。
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