明石市から店頭へお越しくださったE様。お持ち込み頂いたのは、日本棋院発行の「囲碁トレーニング1・2」と「囲碁ドリル1～10」、計12冊。新しい趣味にしようと一式揃えられたそうなのですが、ご事情により開くことがないまま手放すことにしたのだそうです。

■お客様のお悩み

手放す理由をお伺いすると、囲碁を始めようとしたその時に急な単身赴任が決まり、生活が一変してしまったのだそうです。
「子ども達も大きくなり、手が離れだしてきたため、これからの趣味として囲碁を始めよう！と思い立ったんですけど、その矢先に慣れない環境での仕事に追われ、囲碁どころではなくなってしまったんです」とのこと。
実際、本を開いた形跡もほとんどなく、大切に保管されていたことが伺えます。入門からステップアップまでを想定した一式で、需要がありそうだと感じられました。
「またいつかやるかもしれない」と思いつつも、段ボールに入れたまま時間だけが過ぎていく状況にモヤモヤしてしまい、区切りをつけようと今回の持ち込みを決められたそうです。

■スタッフの提案

拝見して驚いたのは、その保存状態の良さ。ヤケやヨレ、折れは一切なく、スリップが挟まったままの巻もあり、まさに“買ったときのまま”に近い状態。E様ご自身も「正直、まだほぼ使ってないんです…」と寂しそうにお話しされます。
「今の生活に合わないものを一度手放す選択も、前向きな整理ですよ」とお伝えし、また時間が開いた時に、新たに揃えるところからはじめられるのも素敵ではないかとご提案をいたしました。

＜古本豆知識＞

日本棋院発行の囲碁教材は、囲碁書籍の中でも評価が安定しているジャンルです。特に「トレーニング」「ドリル」といったシリーズものは、独学で学びたい方や、改めて基礎から学び直したい方に根強い人気があります。
重要なのは“揃い”と“状態”。「学び」のための本ですから、途中の巻が欠けているとどうしても評価が下がりやすいジャンルです。つまり、今回のように揃いであることは、大きな評価ポイント。その上、書き込みがなく、折れや開き癖もないので、次の利用者に大変喜ばれることが想定されます。

囲碁は年齢を問わず始められる趣味です。こうした美品の教材は、次の持ち主にとって理想的なスタートセットになるものなのです。

■対応内容

「囲碁トレーニング1・2」「囲碁ドリル1～10」の計12冊をまとめて査定。抜けがなく、続きで揃ってあることに加え、経年を感じさせない保存状態、書き込み・ヤケなしという点を高く評価。特にスリップが残っている巻があることは、市場では“未使用に近い”印象を与えるため、評価を後押しする要素となります。流通状況と現在の需要を踏まえ、買取価格4,000円をご提示しました。
E様にもご納得いただき、次の利用者へ繋げていくことをお約束いたしました。

■お客様のお声

「タイミングが合わなかったんですよね…」と寂しそうに話されるE様。囲碁への興味は今も残っているそうですが、「今の生活では中途半端になってしまいそうなので、一度手放した方が気持ちが整理できると思いました」とのこと。
「単身赴任から帰宅し、また生活が落ち着いたら、その時は改めて購入したいと思います。今はまだ何年後になるか分かりませんが、そのときは、今度こそちゃんと打てるようになりたいですね」と、笑顔を見せてくださいました。

■スタッフのひとこと

今回のE様のように、何かを始めるために真剣に選ばれた一式が残るご家庭は少なくないのではないでしょうか。
“しっかりと使った”場合もあれば、“生活の変化によって使わなかった”という場合もあるでしょう。どんな場合においても、下草書店ではお買い取りが可能です。

あなたが手放すことになっても、その一式は決して無駄にはありません。本はまた、別の誰かのスタート地点になります。
下草書店では、その“橋渡し役”として、これからも一冊一冊を丁寧に見ていきたいと思います。

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