姫路市にお住まいのT様がお持ち込みくださったのは、『日本の名随筆』1~10巻。ご実家の書棚にずっと並んでいた本。社会人になり、一度は読んでみようと数冊めくったものの、「今の自分が読む本ではない気がした」と感じ、今回整理することにしたのだそうです。
■お客様のお悩み
T様は、ご実家の本棚整理をご両親から一任されているとのこと。本の大好きな両親で、T様は子どもの頃から当たり前のように本に囲まれた生活をしていたのだそうですが、父母も年齢を重ね、今は手を付けることのなくなった本たち。「どれを残して、どれを手放すべきか判断がつかない」と感じながらも、今回お持ち込みいただいた『日本の名随筆』1~10巻は、難しそうで自分ではほとんど読んだことがないから…と、ご来店くださいました。
親世代の本を扱う責任もあるのでしょう。価値や扱い方をきちんと知った上で整理したい、というお気持ちが伝わってきました。
■スタッフの提案
まずは「すぐに手放す必要がある本かどうか」を一緒に整理するところからお話をしました。すると、T様ご自身が強い思い入れを持っている本ではないことが分かり、且つご両親も“処分してよい”と判断を任せていることが確認できましたので、買い取りのお話しに進むことになりました。
そこで、この本がどういう性格の本なのか、どんな方に求められるのかをご説明。
今回大切にしたのは、T様に若干の迷いが感じられたことから、きちんと背景を知ることに重点をおいた買い取りとなることでした。
<古本豆知識>
『日本の名随筆』(作品社)は、近代以降の日本を代表する随筆をテーマ別に集めたシリーズです。小説のように物語を追う本ではなく、「文章のリズム」「言葉の選び方」「思考の運び」を味わうための構成になっています。そのため、若い世代が“読むぞ”と構えて開くと、T様のように、少し距離を感じやすいのかもしれません。
とはいえ、文章好きの方や“随筆”そのものに価値を感じておられる方からは根強い需要がある本です。
■対応内容
今回は『日本の名随筆』1~10巻の査定です。経年によるヤケや使用感は見られるものの、大きな破れや欠損はなく、通読に支障のない状態で、現在の市場状況と需要を踏まえ、買取価格は1,000円をご提示。高額査定とはなりませんが、シリーズとしてのまとまりや、次の読者に繋げられる点を評価しました。
T様には価格の理由も含めてご説明。納得いただきました。
■お客様のお声
「父母の本は何冊も読んでいて、面白いと感じる作品もある中で、正直こちらに関しては自分では価値が分からずにいました。どう扱えばいいか迷っている中での買取依頼。親から託されたとはいえ、本を勝手に処分することへの不安はあったのですが、“こういう人に向けてまた読まれる可能性がある”といったお話しを聞けたことで、気持ちの整理がつきました。本の立ち位置を、きちんと説明してもらえたことが印象に残りました」と、話してくださいました。
■スタッフのひとこと
実家の本棚整理は、「自分の本」以上に判断が難しいものです。しかも今回は、生前整理にあたります。託されたけれど、この判断をどう思うだろう…といった気持ちも生じる中でのお買い取りとなりますから、売る・残すの二択ではなく、「どういう本で、今どんな役割にあるのか」を知ってもらうことを大切にいたしました。
本は、読んでいないから不要、という単純な話ではないのです。
今回の『日本の名随筆』は、T様にとっては身近でありながら距離のある本でした。
整理という意味合いだけでなく、前進につながるようなお買い取りになったかと思います。
これからも下草書店では、丁寧にお話を伺いながらのお買い取りを心がけていきたいと思います。
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