岸見一郎

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プロフィール

誕生　1956年
没年　-

日本の哲学者、心理学者、翻訳家。

大学院時代、母親の看病のために半年間休学。その間、参加していた哲学の読書会によって、哲学の有用性を認識する。
専門である哲学（西洋古代哲学、特にプラトン哲学）と並行し、1989年からアドラー心理学を研究。
2006年4月、心筋梗塞で入院するが、手術後、回復につれ、多くの看護師の相談を受ける。
2009年から4年間、父親の介護をしながら本を執筆し、週に一度、講義を行う。
2013年に刊行した古賀史健との共著『嫌われる勇気』が100万部を超えるベストセラーになる。

講師：京都教育大学教育学部、甲南大学文学部、京都府医師会看護専門学校、
非常勤講師：奈良女子大学文学部非常勤講師、京都聖カタリナ高等学校看護科（心理学）
その他：日本アドラー心理学会認定カウンセラー、日本アドラー心理学会顧問、前田医院精神科勤務

作品例

『アドラー心理学入門よりよい人間関係のために』1999年
『不幸の心理幸福の哲学人はなぜ苦悩するのか』2003年
『アドラーを読む共同体感覚の諸相』2006年
『アドラーに学ぶ生きる勇気とは何か』2008年
『高校生のための心理学入門』2009年
『アドラー心理学シンプルな幸福論』2010年
『アドラー人生を生き抜く心理学』2010年
『子育てのための心理学入門』2010年
『困った時のアドラー心理学』2010年
『介護のための心理学入門』2011年
『アドラーに学ぶ 2 (愛と結婚の諸相)』2012年
『よく生きるということ「死」から「生」を考える』2012年
『アドラーを読む』2014年
『高校生のためのアドラー心理学入門なぜ自分らしく生きられないのか』2014年
『アドラー心理学実践入門「生」「老」「病」「死」との向き合い方』2014年
『子育てのためのアドラー心理学入門どうすれば子どもとよい関係を築けるのか』2014年
『生きづらさからの脱却アドラーに学ぶ』2015年
『叱らない子育て：アドラーが教える親子の関係が子どもを勇気づける!だからやる気が育つ! 』2015年
『老いた親を愛せますか？　それでも介護はやってくる』2015年
『人生に悩んだらアドラーを読もう。』2016年
『生きる勇気とは何か　アドラーに学ぶ』2016年
『人生を変える勇気　踏み出せない時のアドラー心理学』2016年
『アドラーに学ぶよく生きるために働くということ』2016年
『子どもをのばすアドラーの言葉　子育ての勇気』2016年
『希望について: 続・三木清『人生論ノート』を読む』2017年
『幸福の哲学　アドラー×古代ギリシアの智恵』2017年
『幸福の条件　アドラーとギリシア哲学』2017年
『アドラーをじっくり読む』2017年
『愛とためらいの哲学』2018年
『老いる勇気これからの人生をどう生きるか』2018年
『成功ではなく、幸福について語ろう』2018年
『NHK 100分de名著ブックスアドラー人生の意味の心理学変われない？変わりたくない？』2018年
『プラトン　ソクラテスの弁明』2018年
『定年をどう生きるか』2019年
『「今、ここ」にある幸福』2019年
『哲学人生問答 17歳の特別教室』2019年
『先に亡くなる親といい関係を築くためのアドラー心理学』2019年
『人生は苦である、でも死んではいけない』2020年
『老いる勇気これからの人生をどう生きるか』2020年
『今ここを生きる勇気　老・病・死と向き合うための哲学講義』2020年
『老後に備えない生き方』2020年
『ほめるのをやめよう　リーダーシップの誤解』2020年
『これからの哲学入門　未来を捨てて生きよ』2020年
『数えないで生きる』2021年
『アドラー　性格を変える心理学』2021年
『ＮＨＫ「１００分ｄｅ名著」ブックス　三木清　人生論ノート　孤独は知性である』2021年
『定年をどう生きるか』2021年
『不安の哲学』2021年
『怒る勇気』2021年
『叱らない、ほめない、命じない。』2021年
『絶望から希望へ~悩める若者と哲学者の"幸福"をめぐる対話』2022年
『哲学人生問答』2022年
『孤独の哲学　「生きる勇気」を持つために』2022年
『ゆっくり学ぶ　人生が変わる知の作り方』2022年
『よく生きるココロエ』2022年
『マルクス・アウレリウス「自省録」を読む』2022年
『今を生きる思想　エーリッヒ・フロム　孤独を恐れず自由に生きる』2022年年
『ＮＨＫ「１００分ｄｅ名著」ブックス　マルクス・アウレリウス　自省録　他者との共生はいかに可能か』2023年
『泣きたい日の人生相談』2023年
『医師と患者は対等である』2023年
『つながらない覚悟』2023年
『悩める時の百冊百話　人生を救うあのセリフ、この思索』2024年

＜共著＞

『嫌われる勇気自己啓発の源流「アドラー」の教え』古賀史健　2013年
『幸せになる勇気自己啓発の源流「アドラー」の教えⅡ』古賀史健　2016年
『孤独のレッスン』齋藤孝他15名　2023年

＜連載＞

『25歳からの哲学入門』2017年 -

ひとこと

心理学と哲学を学ぶ岸見一郎は、その両面から「人とは何たるか」を説いておられます。
心理学とは、人間の心や行動のメカニズムを研究する学問。データや実証に基づき研究が進められます。一方で哲学は、人間にとって根源的な問いを考える学問。歴史上の哲学者たちの書物を読み、発展させて考えます。両者は似ているようで違うのです。そのように、異なる視点を持つ人物だからこそ、より深く、心に寄り添う話ができるのだと感じさせてくれます。
その岸見一郎が、ライターの古賀史健氏とタッグを組み、哲学者と青年の対話篇形式で執筆された『嫌われる勇気』は、大ベストセラーとなりました。この本は、決して「嫌われなさい」という内容ではありません。「嫌われることを恐れなくてもいい」という内容です。人の気持ちが分かり過ぎて辛くなってしまう人に、「嫌われたっていいんだよ」という視点を与える内容であり、アドラーの「目的論」や「課題の分離」といった概念を通じて、自己肯定感や人間関係の改善を説いています。他者の期待に振り回されず、自分らしく生きること。そして、何もかも自分で背負い込むのではなく、「その課題はあなたね」と他者にゆだねてしまうことの重要性を強調しておられ、個人の成長と幸福を追求する本となっています。

そして岸見一郎は、講演やセミナーも積極的に行っていて、専門的な知識を持たない人にも分かりやすく、自己啓発や心理学の在り方を伝えておられます。その内容は理論だけでなく、実践的なアドバイスも交えているため、参加者から高い評価を得ているものばかり。

コロナ禍を経て、自分自身ときちんと向き合い、考える人が増えている昨今、アドラー心理学を通じて多くの人々の人生にポジティブな変化をもたらす岸見一郎の教えは、個々の成長と社会的な調和を促進するものであり、現代社会において重要な役割を果たしているように思います。

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