古本出張買取下草書店

【教育書】戦前 中学国文教科書 8冊 希少本を買い取りました

参考価格 500円

買取ジャンル学術書・教育書
買取方法持込買取

スタッフからコメント

淡路市にお住まいのI様が、大切なご親族の遺品整理で当店に立ち寄ってくださいました。お仕事で三田市まで来られ、その帰り道、「少し足を伸ばしてみよう」とドライブがてらお越しいただいたそうです。

 

■お客様のお悩み

I様にお持ち込みいただいたのは、明治44年発行の『中学 国文教科書』。I様の曽祖父が学生時代に実際に使っていたもので、大切に保管されていたものがご自宅の蔵を整理する中で見つかったとのこと。「このまま眠らせるよりも、歴史を次世代につなげてほしい」と思い、下草書店にご相談くださいました。

ただ、長年の時を経てカビや汚れが目立ち、当時の書き込みも多く残っている状態。I様は、歴史的価値を感じながらも、状態が決して良くはないことから、遺品をどう扱うべきか悩まれておられました。

 

■スタッフの提案

I様からは「こんな状態で価値があるのか」と心配の声をいただきました。しかし下草書店では、状態だけではなく、その背景や歴史的価値にしっかりと目を向け、その価値を見いだします。

特に今回の教科書は、明治時代の教育現場で実際に使われた極めて希少な品。書き込みも、今では知ることのできない当時の中学生の息づかいを伝える、貴重な資料的価値があると考えます。
“状態”ではなく、“歴史的価値”を拝見することを丁寧にご説明いたしました。

<古本豆知識>

明治44年は夏目漱石が『彼岸過迄』を発表し、日本の近代文学が大きく動き出した時代です。国語教育の教科書には、漱石や森鷗外、二葉亭四迷などの文学が取り入れられ、子どもたちは当時の最先端の文学に触れていました。その意味で、今回の国文教科書は単なる学用品ではなく、日本の教育と文学の歴史を物語る“文化遺産”ともいえる存在です。

また、現存するものは少なく、書き込みのある教科書はむしろ、当時の学びの姿を生き生きと伝えるもの。あらゆる面から、文化財として評価される物だと考えます。

 

■対応内容

今回の教科書は、歴史的価値と資料性を考慮し、500円での買い取りといたしました。見た目の傷みは多くありますが、それ以上に「残されていること自体が奇跡」といえるほどの珍品であると評価しました。
書き込みについてですが、今回においては「あることが評価」されました。

I様にお伝えすると、「こんな古いものでも受け取ってもらえてよかった。遺品整理にひと区切りつきました」と、ほっとした表情を見せてくださいました。

 

■お客様のお声

「曽祖父は農作業をしながら勉学を続けた人だと伝え聞いています。家族にとって誇りですから、その思い出である教科書を、ただ手元で朽ちさせるのはもったいないと感じました。今回、買い取っていただいたことで、歴史に関心を持つ人の役に立てるなら本望です。金額ではないんです!」と、I様は目を潤ませながら語ってくださいました。

ご家族の遺品を、歴史のバトンとして未来へ手渡す…本当に素晴らしいことだと感じました。

 

■スタッフのひとこと

古書の価値は、保存状態だけで測れるものではありません。破れや汚れがあっても光を放つものがあります。今回の国文教科書もまさにそのひとつ。ページに残る、中学生だった頃の曽祖父様の書き込みが100年以上の時を越え、現代に語りかけてくれるようでした。ご家族の大切な思い出を、未来につなげるお手伝いができたこと、心からうれしく思います。

 

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