稲美町のT様より、本の引き取り依頼がありました。お父様より身の回り品の片付けを依頼されているそうで、下草書店にご連絡をいただいたとのことでした。
■お客様のお悩み
「父が集めていた『講談社の昭和』という全集が家にあるのですが、ずっと本棚に飾っているだけで読むこともないので、整理したくて」というご相談のお電話が入りました。
稲美町在住のT様。お父様から依頼され、家の不用品をあれこれ片付けている最中なのだそうです。
平成、令和と時代は進み、昭和は遠い記憶の向こうへと行き過ぎつつあります。けれど、忘れてはいけない。そんな思いから集められたそうなのですが、置いているだけなんてもったいないよね、と。
お父様と共にある本の片付け。丁寧に行わなければと心を新たにしたご依頼でした。
■スタッフの提案
このような全集には、“記録”としての価値があります。古さは関係なく、逆に古くなればなるほどに価値が増してくる本だとも言えるでしょう。そのことをT様にお伝えすると同時に、『講談社の昭和』が戦後日本の歩みを多面的にまとめた歴史資料であること、そして研究者や教育関係者の方々にも根強い人気があることもお話いたしました。
このような本は、読むだけでなく、“昭和”という時代を感じるために手に取る人も多いものです。
「飾っておくよりも、必要とされる方の手に渡る方が嬉しい」とT様は手放されることを決断され、「それならぜひ橋渡しをさせてください」とお預かりすることにいたしました。
<古本豆知識>
『講談社の昭和』は、昭和の政治・経済・文化を豊富な写真と資料で振り返る、全15巻構成の大著です。出版当時は、家庭向けの記録全集として人気を博し、書斎や応接間に並べるのが一種のステータスでもありました。
今では、当時の紙質や印刷技術も含めて「昭和文化の象徴」とされており、また写真資料の質の高さから再評価が進んでいます。
保存状態の良い全巻揃いは歴史研究や図書館収蔵の対象になることもあり、古書市場でも安定した需要があります。
■対応内容
全体的にページのヤケも少なく、大変美しい状態となっておりました。
昭和を俯瞰できる資料価値の高さ、そして完本である点を評価し、5,000円でのお買い取りを実施。
保管状態の良さから、再び誰かの手で開かれる日はすぐにやってくるのかもしれません。
長い時を経てもなお、「記録として生きる本」の存在感を感じられるお取り引きでした。
■お客様のお声
「買い取りに至ったことを父に伝えると、大変喜んでもらえました。父は、購入したものの手に取る機会のないこの本のことをずっと気にしていて、誰か大切にしてもらえる人の元へ……と、ずっと考えていたのだそうです。こうしてきちんと価値を見ていただけて、ほっとしたと話していました」とT様。
「本棚に空間ができましたが、寂しくはないものですね。きっとどこかで、大切な“昭和”という時代を語ってくれるのだと思います」と、お父様以上にT様にもお喜びいただき、私どもも嬉しく感じました。
■スタッフのひとこと
本は、人がいなくなっても「時代を語り続ける」ことができるものです。だからこそ、過去を書籍で伝えることは必要不可欠なのでしょう。
『講談社の昭和』には、昭和を生き抜いた人々の記録と息づかいが詰まっています。令和を生きる私たちがそのページを開くと、懐かしさだけでなく、未来へのヒントが見えてくるような気がします。
そして昭和は、T様のお父様が大切にされてきた時間でもあります。その時間を、次の世代へとバトンタッチができたこと、心から嬉しく思います。
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