兵庫県・三田市にお住まいのK様より、小川国夫『或る聖書』をお買い取りいたしました。池田満寿夫によるオリジナル銅版画を収めた、1975年刊行の限定本です。文学と美術、双方の魅力を備えた一冊として、丁寧に確認し、評価をさせていただきました。
■お客様のお悩み
K様より、「長年、本棚に大切にしまっていた本ですが、最近になって家の中を整理することになり、少しずつ手放すものを決めています。手伝ってもらえませんか?」とのご依頼をいただいた本です。
K様曰く、「普通の本であれば迷わず処分できるのですが、この本は少し特別なものだったため、どうするべきか悩んでいました」とのこと。限定本ということもあり、価値があるのかもしれないとは思っていましたが、自分では判断できないので、と。もしかすると、古い本であることから、市場での評価によっては思っていたほどの価値がない可能性もありますし…という不安も語っておられました。
■スタッフの提案
今回の『或る聖書』は、一般的な小説とは少し違った見方が必要な一冊です。というのも、小川国夫の文学作品に加え、池田満寿夫による銅版画が収められており、文学と美術の両方から楽しめる限定本となっているためです。こうした本は、タイトルや作者名だけでなく、刊行時期や限定部数、さらに一冊ごとの仕様まで確認することが大切です。
まずは、どのような経緯で作られた本なのかを丁寧に調べ、見落としてしまいがちな価値を確認。本そのものの背景を鑑みた上で、適正に評価をさせていただきました。
<古本豆知識>
『或る聖書』は、1975年に筑摩書房から刊行された限定本です。限定235部という少部数で制作されており、一般的な書店で流通する小説とは、少し性格が異なります。
さらに、本文だけでなく、池田満寿夫によるオリジナル銅版画4葉を収録しているのも大きな特徴で、文学作品と美術作品を一冊の中で楽しめる、コレクション性の高い本だと言えます。
なお、限定本では「何番の本か」を示す番号が付されることがありますが、本書にも部数を示す番号が付いていました。
■対応内容
今回の『或る聖書』は、17,000円でお買い取りいたしました。
本書は一般的な小説とは異なり、限られた部数で制作された特別な本。さらに、文学作品としての魅力だけでなく、美術作品としての側面も持っていましたので、中身をしっかりと理解した上で査定を行い、本来の評価を逃すことのないよう努めました。
こういった本こそ、本物のプロによる査定が一番必要な本だと言えるかもしれません。
「昔買った本だけど、今では価値が分からない」という本をお持ちの方は、自己判断で処分してしまうのは少し待ってください!思いがけない評価につながる本が、眠っているかもしれません。
そのような時には、ぜひご連絡を頂ければと思います。
■お客様のお声
限定本ということは知っていたので、「もしかしたら価値があるのかも」と少し期待はしていました。でも、実際にどのくらいの価値があるのかは自分ではまったく分からず、古い本でもあるので、半信半疑。今回、きちんと本を確認していただき、思っていた以上の金額になったので驚きましたし、とても嬉しく感じています。
せっかくの限定本も、本棚にしまったままでは眠らせることになってしまいます。その価値を活かすためにも、この本を探している方の手に渡ってくれたら嬉しく思います。
「捨てる前に、一度見てもらってよかった」と思える、買取となりました。
■スタッフのひとこと
限定本は、一般的な流通本とは少し事情が異なります。今回の本も、文学作品として読むだけでなく、美術作品と一緒に楽しめるように作られていました。だからこそ、「古いから」「もう読まないから」という理由だけで判断するのは、とてももったいないことだと言えます。
長く本棚にあった一冊が、誰かにとっては「ずっと探していた一冊」かもしれません!
本の価値は、持ち主の「もう必要ない」という気持ちだけでは決まるものではないのです!
本を手にした時、その本が持っている背景まできちんと見てあげること。それが、古書を次の時代へ残していくために大切なことだと思いながら、当店では査定を行っています。
その本、本当は価値があるかも?
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