尼崎市にお住まいのF様より、LINEにて査定のご依頼をいただきました。写真で見る限りとてもきれいな全集です。F様のお兄様の遺品とのことでした。
■お客様のお悩み
ご依頼をいただいたのは、「高橋和巳全集 全20巻揃セット(1977年発行)」。お兄様の遺品として譲り受けたのだそうです。長く、尼崎市のF様ご自宅に大切に保管されてきたものの、年月が経つにつれ、F様自身が手に取る機会は少なくなり、「本棚で眠らせておくよりも、必要としている人へ繋げたい」という思いが強くなられたそうです。
お兄様は生前、読書をこよなく愛し、特に思想や文学の世界に深く傾倒していたことから、この全集への思い入れは強く、ただの本以上の意味を持っているとのこと。でも、だからこそ、愛着のあるこの本を誰かが活かしてくれることを願ってのご相談でした。
■スタッフの提案
LINEにF様は、「これは兄の生きた証のひとつなんです」と記載されていました。その重みを、しっかりと受け取らなければなりません。そこで、私たちはまず「本を手放すことは思い出を捨てることではないこと」や「しっかりと次の人へ受け継ぐこと」をお伝えいたしました。
全集は全20巻揃いです。しかも、写真で見る限り、経年による劣化がほとんど見られません。古書としては驚くほど良好な状態であることも含め、きちんと評価することをお話しいたしました。
F様も「兄が丁寧に扱っていた証をそのまま評価してもらえるなら安心です」と喜んでいただけました。
<古本豆知識>
高橋和巳(1931–1971)は、戦後文学を代表する作家のひとりです。大学で哲学を学び、その思想的背景が色濃く反映された作品群は、当時の若者たちに大きな衝撃を与えました。
代表作である『憂鬱なる党派』『邪宗門』では、人間の存在や社会の矛盾を鋭く描き出し、没後も高く評価され続けています。
全集が刊行されたのは、彼の死から6年後のこと。生前の著作に加え、未発表原稿や評論も収録され、研究者や文学ファンにとって欠かせない資料となっています。
■対応内容
郵送で届いた実物を拝見すると、40年以上前の出版にも関わらず、表紙や函の色褪せも少なく、とてもきれいな状態で保存されていました。ページの開きも滑らかで、いかに大切に扱われてきたかが伝わります。
そして、全集が全20巻、きちんと揃っていることも大きなポイント。文学ファンや研究者にとっては、大変貴重な資料となるでしょう。
慎重に査定を進めた結果、「6,000円」での買い取りをご提示しました。
F様には、「金額の大小よりも、こうして大切に見てくださったことが嬉しい」と仰っていただきました。本に込められた思い、確かに次へと引き渡して参ります。
■お客様のお声
「兄が本当に大切にしていた全集を、その価値ごときちんと見ていただけたことがとても嬉しかったです。正直、売ることには迷いもありました。でも、必要とする方に活用してもらいたいという思いを丸ごと受け止めていただけたので、とても気持ちが軽くなりました。兄が残した本が新しい読者の手に渡り、また別の物語を紡いでいくのなら、これ以上のことはありません」と言っていただき、こちらも身の引き締まる思いです。
■スタッフのひとこと
今回のお買い取りは、遺品整理の意味合いもあり、特別な思いを抱かせるものでした。
お兄様の持ち物であった全集を丸ごと手放すというのは、遺族にとって大きな決断だったことと思います。お買い取りした全集は、求める人の手にしっかりと引き継ぎ、再び読み継がれていくよう、尽力していくことをお約束いたします。
本とは、人から人へと渡ることで、どんどん次なる新しい息吹を得るものなのです。
その本、本当は価値があるかも?
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