加古川市にお住まいのU様より、「定本 柳田國男集34冊のうち、2冊欠本があるのですが買い取り可能ですか?」とのお問い合わせをいただきました。
可能なのですが、全集の場合、欠本があるとかなり評価が下がってしまいます。その旨をお伝えし、ご了承いただけましたので、宅配買取のご案内をいたしました。
■お客様のお悩み
民俗学を学ばれていたU様。日本民俗学の創始者であり、同じ兵庫県出身の柳田國男が大好きで、学生の頃に全集を集められたのだと言います。作品への思い入れも強く、ずっと所持してきたものの、そろそろ身の回りの品を片付けなければ……と整理をはじめたところ、2冊の欠本に気づかれたのだとか。「そういえば、友人に貸した記憶がある。でも誰だったのか不確かであり、さらにはあまりに古い事柄でもあることから、今さら返却も求められない」とのことで、下草書店にご連絡をいただいたと話されていました。
■スタッフの提案
全集の場合、“全巻揃っているかどうか”で評価額が大きく変わってしまうのが正直なところです。ただ、今回ご依頼のお品は、月報付きであるなど状態が良いですし、何よりU様の買い取って欲しいという思いも切実でしたので、できる限りの査定をお約束しました。
揃っていなくても査定はもちろん可能です。特に柳田國男集は需要もあるため、できる限り頑張らせていただくことをお伝えいたしました。
下草書店では、大事にしてきた本を手放すときの気持ちに寄り添うことを、何より大切にしています。
<古本豆知識>
雑誌や単行本は1冊ずつ評価することが多いですが、全集は“揃っている完全な形”にこそ大きな価値が生まれます。
とはいえ、「欠けがある=値段がつかない」わけではありません。
例えば、昨日お買い取りをした【講談名作文庫】につきましては、巻繋ぎであっても独立性が高いため、欠本による価値の下落幅が大変小さくなっています。
そして、今回のように人気の高い著者であること、版元がしっかりしている、状態が良いなどといった条件が揃えば、欠本があっても十分な需要があります。
お困りの際は、ぜひ下草書店にご相談ください。
「貸したまま戻ってこなかった本」は、実は古本屋あるある。お客様から“惜しい欠本”の話を伺うことは本当に多いなと思います。
■対応内容
2冊欠本という状態でしたが、保管状態がとても良かったため、通常より高めの評価をさせていただきました。「全巻揃いなら10,000円で買取可能なお品ですが、今回は5,000円での査定となりました」とお伝えすると、「たった2冊で…!」と大変驚かれたU様。そのお気持ち、痛いほどわかります……。
だからこそ下草書店では、欠本がある場合でもできる限り“本の価値そのもの”を見て査定することを大切にしています。U様にも「思ったよりは高かったので、安心しました」と言っていただけました。
■お客様のお声
「学生の頃、毎月のように少しずつ揃えていった思い出の本でした。貸したまま戻ってこなかった2冊は正直いまでも悔しいですが……こんなに丁寧に見ていただけるとは思わなかったので、嬉しい限りです。
最後まで大事にしてきた本なので、必要な誰かの元でまたページがめくられるなら本望です。
今回の件で“もう本を気軽に貸すことはやめよう”と心に決めました(笑)」と、笑顔でお話くださいました。
■スタッフのひとこと
欠本のある全集を売りに来られる方からは、様々なエピソードを語っていただけることが多々あります。お気に入りの本だからこそ、友人に貸したのでしょう。そこに、当時の思い出や生活が詰まっているのです。
U様の「最近は忙しくてまったく読めていないけれど、今のいまで手放せなかった」というお気持ちに触れたとき、持ち主と長い時間を共に過ごした本を丁寧に扱う責任を、改めて感じました。
大切にされてきた本を、次に手に取る誰かへつなぐお手伝いができて、こちらこそ嬉しく思います。
その本、本当は価値があるかも?
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タイトルの入力も、本を1冊ずつ出す必要もありません。
査定額に納得できなければ、もちろんキャンセルOK。
気になる本があれば、まずはお気軽にお試しください。
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