生年 1901年1月10日
没年 2002年1月19日
日本の推理作家。秋田県秋田市生まれ。
1928年(大学在学中)、実弟の渡辺温とともにエドガー・アラン・ポーの短編を翻訳(江戸川乱歩名義)。
1929年、岡田時彦(俳優)のゴーストライターとして、処女作「偽眼(いれめ)のマドンナ」発表。
1930年、大学を卒業し、中学校の歴史教師になる。
教師をしながらも執筆を続け、短編を発表。
1935年、作品集「地獄横丁」刊行。
1938年、教師を辞め、創作に専念。
作品例
『偽眼のマドンナ』1929年
『地獄横丁』1933年
『聖悪魔』1937年
『密林の医師』1942年
『オルドスの鷹』1942年
『西北撮影隊』1943年
『魔女物語』1946年
『浴室殺人事件』1949年
『鮮血洋燈』1956年
『吸血鬼考』1957年
『海・陸・空のなぞ』1958年
『クムラン洞窟』1959年
『海底結婚式』1960年
『探偵横丁下宿人』1976年
『鴉 誰でも一度は鴉だった』1985年
ひとこと
渡辺啓助の作品に漂うのは、絶妙なブレンド感。例えば、犯罪にロマンをブレンドし、猥雑ながらも幻想的な雰囲気に仕立てていたり、殺人事件に骨董や陶磁器などの美術的なモチーフを加えて耽美な雰囲気を醸し出したり。語り口も独白のようにするなど工夫を凝らしており、探偵小説ではなく「探偵詩」と呼ばれたのもなるほどと感じます。
どれもかなり古い作品であるにも関わらず、現代に通じる着眼点が多く、楽しめる作品となっています。
エキゾティシズムやモダニズム、フェティシズムが好きな方、気になる方に、ぜひ一度手に取って欲しいと思う作品ばかり。小説選も出版されているので、まずは作品をひとつ、読んでみてはいかがでしょうか。
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