生年 1916年3月15日
没年 1995年3月8日
日本の小説家。関東州・大連生まれ。
大学卒業後、満州鞍山の昭和製鋼所に入社。1943年召集され、満州東部国境各地を転々とする。1945年8月のソ連軍の満州侵攻時、攻撃を受けてほぼ全滅となり、数名の生存者は五味川含め捕虜となった。
1955年、自らの従軍体験を基にした「人間の條件」が1,300万部を超える大ベストセラーに。一躍人気作家となる。
その後も数々の戦争文学を執筆し、その是非を世に問い続けた。
後に、「人間の條件」は映画化およびドラマ化され、「戦争と人間」は映画化されている。
1978年、第26回菊池寛賞受賞。
作品例
「人間の條件」全6部 1956年
「自由との契約」全6部 1958年
「歴史の実験」1959年
「アスファルトジャングル」1960年
「巨きな約束の土地 ソ連紀行」1962年
「孤独の賭け」全3部 1962年
「人間の朝 東アフリカ紀行」1964年
「戦争と人間」 全18巻 1965年
「虚構の大義 関東軍私記」1973年
「極限状況における人間」1973年
「ノモンハン」1975年
「この堅き肉」1975年
「御前会議」1978年
「ガダルカナル」1980年
「五味川純平著作集」全20巻 1983 年
「怒り、八つ当たり」1985年
「「神話」の崩壊 関東軍の野望と破綻」1988年
「戦記小説集」1990年
ひとこと
五味川純平と聞いて思い浮かぶのは、やはり、骨太な戦争小説作家だと言うこと。戦争が持つ凶悪性、暴力性。そこに衝突するヒューマニズム。ご自身が兵士として戦争を経験したからこその内容だと感じます。「学んだ」程度では書くことができない素晴らしい内容に、読むたびに震え、驚かされています。
一方で五味川純平は、決して「硬派」なタイプではなかったとの記載も目立ちます。人懐っこい方であり、弱い人へのまなざしに満ちあふれた作家なのだと。また、とても真面目な方で、お酒好きで、冗談好き。そんな人間味あふれる性格だからこそ、人間味を失くしてしまうような戦争について深く考え、思うところがあり、熱い戦争小説を書き続けたのかもしれません。
五味川純平の作品には、人の弱さも苦悩も描かれます。戦争小説は、決して英雄譚であってはならない。そんな気概を感じます。
読書というよりも、戦争当時の人に会いにいくような、そんな感覚になれる五味川純平の作品を、ぜひ一度、手に取ってみて欲しいと思います。
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