誕生 1955年7月3日
没年 -
日本の小説家、推理作家、医師。本名:久家義之(くげよしゆき)。
大阪府堺市生まれ。大阪府立三国丘高校、大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部附属病院にて外科および麻酔科を研修。その後大阪府立成人病センターで麻酔科、神戸掖済会病院で一般外科に勤務。サウジアラビア、オーストリア、パプアニューギニアの在外公館で医務官として勤務し、帰国後は在宅医療に従事。
同人誌『VIKING』での活動を経て、2003年に『廃用身』で作家デビュー。第2作『破裂』は、単行本の帯に「医者は、三人殺して初めて、一人前になる」と衝撃的な文句がつけられ、現代版『白い巨塔』とも評される。2014年、『悪医』で第3回日本医療小説大賞を受賞。
2015年、『移植屋さん』で「第8回上方落語台本募集」(上方落語協会)優秀賞を受賞。
2015年現在は健診センターで非常勤医師として働き、大阪人間科学大学で講師を務めている。
作品例
<久家義之名義>
『大使館なんかいらない』2001年3月
『呆然!ニッポン大使館―外務省医務官の泣き笑い駐在記』2002年7月
『老いて楽になる人、老いて苦しくなる人』2002年12月
<久坂部羊名義>
医療系
『大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す』2006年11月
『日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか』2007年1月
『思い通りの死に方』2012年9月 - 中村仁一との共著
『医療幻想 「思い込み」が患者を殺す』2013年2月
『人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期』2014年9月
『カラダはすごい! モーツァルトとレクター博士の医学講座』2017年4月
『ブラック・ジャックは遠かった―阪大医学生ふらふら青春記』2016年2月
『冴えてる一言 水木しげるマンガの深淵をのぞくと「生きること」がラクになる』2022年2月
『人はどう死ぬのか?』2022年3月
『寿命が尽きる2年前』2022年11月
『人はどう老いるのか』2023年10月
小説
『廃用身』2003年5月
『破裂』2004年11月
『無痛』2006年4月
『まず石を投げよ』2008年11月【改題】糾弾 まず石を投げよ 2012年1月
『神の手』2010年5月
『第五番』2012年2月 -『無痛』続編
『第五番 無痛II』2015年8月
『悪医』2013年11月
『嗤う名医』2014年2月
--収録作品:寝たきりの殺意 / シリコン / 至高の名医 / 愛ドクロ / 名医の微笑 / 嘘はキライ
『芥川症』2014年6月
--収録作品:病院の中 / 他生門 / 耳 / クモの意図 / 極楽変 / バナナ粥 / 或利口の一生
『いつか、あなたも』2014年9月【改題】告知 2018年10月
--収録作品:綿をつめる / 罪滅ぼし / オカリナの夜 / アロエのチカラ / いつか、あなたも / セカンド・ベスト
『虚栄』2015年10月
『反社会品』2016年8月【改題】黒医 2019年12月
--収録作品:人間の屑 / 無脳児は薔薇色の夢を見るか? / 占領 / 不義の子 / 命の重さ / 覗き穴 / 老人の愉しみ
『老乱』2016年11月
『テロリストの処方』2017年2月
『院長選挙』2017年8月
『カネと共に去りぬ』2017年11月
--収録作品:医呆人 / 地下室のカルテ / 予告された安楽死の記録 / アルジャーノンにギロチンを / 吾輩はイヌである / 変心 / カネと共に去りぬ
『祝葬』2018年2月
--収録作品:祝葬 / 真令子 / ミンナ死ヌノダ / 希望の御旗 / 忌寿
『介護士K』2018年11月
『老父よ、帰れ』2019年8月
『オカシナ記念病院』2019年12月
『怖い患者』2020年4月
--収録作品:天罰あげる / 蜜の味 / ご主人さまへ / 老人の園 / 注目の的
『生かさず、殺さず』2020年6月
『善医の罪』2020年10月
『MR』2021年4月
『R.I.P. 安らかに眠れ』2021年11月
『砂の宮殿』2023年3月
ひとこと
医師と言う視点が醸し出す、背筋がゾクッとする怖さが持ち味の作家です。
突拍子もない内容であるにも関わらず、真実の織り交ぜ方が絶妙で、「もしかすると本当なのではないか?」と信じさせてしまう力が素晴らしく、一度読み始めると、ページをめくる手はもう止まりません。一冊を読み切るお時間のあるタイミングで、読みはじめることをオススメいたします。
医師だからこその生命や医療倫理に関するテーマは大変興味深く、医療現場の厳しさや人間の弱さを鋭く描き出すスタイルの作品は、他に類を見ないものだと言えます。
医学の専門知識を生かしながらも一般読者にもわかりやすい書きくちで、老若男女を問わず、幅広い層にハマってしまうことでしょう。ノンフィクションである医療現場の現実と、フィクションである人間ドラマを併せ描く作品の数々は、どれも魅力にあふれています。
そして久坂部羊は、エッセイやノンフィクションの分野でも活躍しています。経験をもとにした現代医療の問題点や課題、未来への提言を投げかけられており、これは大変意義のあることだと思います。
医療と文学の交差点で生まれる新しい視点は、単なるエンターテイメントを超えています。
どの作品も、一度読むと忘れられない作品になってしまいますよ。
久坂部羊に関する物なら何でもご相談下さい。
珍しい物は高額にて評価致しますので、お気軽にご連絡くださいね。