誕生 1963年6月16日
没年 -
日本の小説家。岐阜県出身。
1988年に三菱銀行(当時)に入行し、32歳となった1995年、退職。コンサルタント業のかたわら、ビジネス書の執筆をはじめる。執筆業は順調だったものの、テーマが限られていることから将来に不安を感じ、夢だった江戸川乱歩賞を目指しはじめる。
1998年、『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。
以降、元銀行員の経験を生かし、金融界を描く企業小説に手腕を発揮。
2010年、『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞受賞。
2011年、『下町ロケット』で第145回直木賞受賞。
金融界のみならず、働く人々の姿を真摯に描く。
作品例
<小説>
半沢直樹シリーズ
『オレたちバブル入行組』2004年12月
『オレたち花のバブル組』2008年6月
『ロスジェネの逆襲』2012年6月
『銀翼のイカロス』2014年8月
『アルルカンと道化師』2020年9月
花咲舞シリーズ
『不祥事』2004年8月
『花咲舞が黙ってない』2017年9月
下町ロケットシリーズ
『下町ロケット』2010年11月
『下町ロケット2 ガウディ計画』2015年11月 【改題】『下町ロケット ガウディ計画』2018年7月
『下町ロケット ゴースト』2018年7月
『下町ロケット ヤタガラス』2018年9月
<その他の小説>
『果つる底なき』1998年9月
『M1』2000年3月 【改題】『架空通貨』2003年3月
『銀行狐』2001年9月
『銀行総務特命』2002年8月
『MIST』2002年11月
『仇敵』2003年1月
『BT '63』2003年6月
『最終退行』2004年2月
『株価暴落』2004年3月
『金融探偵』2004年6月
『銀行仕置人』2005年2月
『シャイロックの子供たち』2006年1月
『空飛ぶタイヤ』2006年9月
『鉄の骨』2009年10月
『民王』2010年4月
『かばん屋の相続』2011年4月
『ルーズヴェルト・ゲーム』2012年2月
『七つの会議』2012年11月
『ようこそ、わが家へ』2013年7月
『陸王』2016年7月
『アキラとあきら』2017年5月
『ノーサイド・ゲーム』2019年6月
『民王 シベリアの陰謀』2021年9月
『ハヤブサ消防団』2022年9月
『俺たちの箱根駅伝』2024年4月
<連載>
『日々、前進4打』(実業之日本社『Waggle』ゴルフエッセイ / 隔月連載
<脚本>
『シャイロックの子供たち』 ツバキミチオの変名で映画版の脚本を担当
<ビジネス書ほか>
『借りたいとき・借りたいだけ銀行融資をうまく引き出す法』1996年
『銀行取扱説明書:お金を借りる会社の心得』1996年
『お金を借りる会社の心得銀行取扱説明書』1996年
『一目でわかる企業グループの「連結格付」:日本の大企業グループ50社の「総合力」を徹底比較!』1997年
『会社の格付:イメージと銀行の見た実力はこんなに違う 有名企業56社の格付を公開』1997年
『貸し渋りに勝つ銀行借入れはこうする』1998年
『シティバンクの経営戦略:真の国際銀行はビッグバンをどう勝ち抜くか』1998年
『これだけ覚える融資の基礎知識:図解』1999年
『銀行がお金を貸す会社貸さない会社』1999年
『金融法務がマンガでラクラクわかる本』2000年
<単行本未収録小説>
『なるへそ』 オール讀物:1999年11月
ひとこと
池井戸潤作品の面白さは、リアリティのある企業描写と人間ドラマにあると言えるでしょう。銀行をはじめとする企業の不都合な内部事情を暴き出し、その中で葛藤する人々の姿を描きます。ともすれば、読者もその感覚をどこかで感じたことがある、もしくは常々不条理を感じていた等、共感できる事柄であるというところも、作品の面白さのひとつの側面であると言えるでしょう。
そして何より、最初は巨悪であった存在を、主人公が小さな力で立ち向かい、途中何度もヒヤッとさせられながらもそれを乗り越え、最後には痛快に叩きのめしてしまうというストーリー展開に、胸のすく思いが得られるのも、池井戸潤作品の魅力のひとつ。
働く者の情熱、そして抱える苦悩に感動する。途中に訪れるサスペンス要素。それにより、最後まで飽きることなく、どんどん引き込まれてしまう作品ばかり。
ドラマ化や映画化も非常に多いため、先に映像作品を見て、より知りたくなり、後に本に戻ってくる……という方が多いのも、頷けます。
池井戸潤の描く作品は、どれも働く者が主人公であり、働く人、そして仕事への誇り、真摯に向き合う姿勢など、意志の強さを感じることができるものとなっています。読み進めるうちに勇気や希望が得られ、自然と自分自身も強くなれるます。いま、仕事に行き詰まっている方や、人生に向き合いたい方の休息時間に、ぜひ一度手に取って欲しい。そんな本ばかりですよ。
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