誕生 1980年3月9日
没年 -
日本の小説家。福岡県出身。同県在住。
10歳のとき、母から薦められた氷室冴子の『クララ白書』と『なんて素敵にジャパネスク』に夢中になり小説家を志す。
高校時代より、小説を書く。友人に頼まれ、演劇部の台本も手掛ける。
卒業後、県内の理容師専門学校に進学し、理容師の職に就くも1年で退職。
20代半ばで結婚し、専業主婦として子育てをしていた28歳、再び小説家を志す。その背景には、尊敬する氷室冴子の訃報があった。
2016年、「カメルーンの青い魚」で第15回女による女のためのR-18文学賞の大賞受賞。
2021年、「52ヘルツのクジラたち」で本屋大賞受賞。
作品例
<単行本>
『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』2017年
-収録作品:カメルーンの青い魚 / 夜空に泳ぐチョコレートグラミー / 波間に浮かぶイエロー / 溺れるスイミー / 海になる
『ぎょらん』2018年
-収録作品:ぎょらん / 夜明けのはて / 冬越しのさくら / 糸を渡す / あおい落葉 / 珠の向こう側
『うつくしが丘の不幸の家』2019年
-収録作品:おわりの家 / ままごとの家 / さなぎの家(「春待ちの家」より改題) / 夢喰いの家 / しあわせの家
『52ヘルツのクジラたち』2020年
『コンビニ兄弟—テンダネス門司港こがね村店—』2020年
『星を掬う』2021年10月
『コンビニ兄弟2―テンダネス門司港こがね村店―』2022年
『あなたはここにいなくとも』2022年
-収録作品:おつやのよる / ばばあのマーチ / 入道雲が生まれるころ / くろい穴 / 先を生くひと
『宙ごはん』2022年
『コンビニ兄弟3―テンダネス門司港こがね村店―』2023年
『夜明けのはざま』2023年
<雑誌掲載:小説>
『カメルーンの青い魚』2016年
『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』2016年
『ぎょらん』2017年
『あなたがいない夜』2017年
『はじまりの赤』2018年
『糸を渡す』2018年
『リセット』2018年
『あおい落葉』2018年
『おわりの家』2018年
『珠が映すもの』2018年
『追放のイブ』2018年
『蛍火が消える晩』2018年
『ままごとの家!』2019年
『忌子のなみだ』2019年
『ばばあのマーチ』2019年
『春待ちの家』2019年
『しまちゃんとわたし』2019年
『おつやのよる』2020年
『春告草が芽吹くとき』2022年
- <雑誌掲載:エッセイなど>
『思い出ステーション』2017年
『愛しのこぶた狛犬』2018年
『永遠に巨大迷路』2019年
『Column』2020年
『忘れられぬ未熟旅』2021年
ひとこと
町田そのこの作品には、人間関係の微妙な機微や、社会の中での個人の孤独をテーマとするものが多くあります。登場するキャラクターは、日常の中で抱える葛藤や悩みを通し、自分自身と向き合い、そして、成長していく様が描かれています。その様子が非常にリアルであり、どんどん引き込まれていく。そんな力のある作品が、町田そのこ作品の大きな特徴です。
読み進めるうちに、共感となり、気づきとなる。孤独や繋がりといった普遍的なテーマでありながら、常に新しい視点や感覚を提供する作品の数々に、ぜひ触れてみて欲しいと思います。
近年、「親ガチャ」という言葉が流行りました。それを受けて町田そのこは、「言葉一つで、自分自身の問題をすべて親に責任転嫁するのはどうなのか」と問いかけます。それは、自分の人生に対する責任放棄ではないのか、見ないふりをしてごまかそうとしているだけなのではないか、と。
そして、作品を通して伝えたいことは、悩みを抱えている人、動けずにいる人に対し、「まずは踏み出して」ということだと言います。たとえ、その一歩で転んだとしても、はずみで物事に変化が起こるかもしれないし、誰かに気づいてもらえるかもしれない。そしてそこから、視点が変わるのかもしれない。何かしらが起こるのだと。また、「踏み出したその先に自分自身もいて、今も執筆を続けているから」と話す内容に、きっと多くの方が勇気づけられているのだろうと強く感じました。
町田そのこに関する物なら何でもご相談下さい。
珍しい物は高額にて評価致しますので、お気軽にご連絡くださいね。